2025/02/21 06:00
こんにちは。
大円商店は愛知県の東栄町という町で、主にステンレス製の表札を中心に、アイアン家具やその他金属製品のオーダーメイド制作を行っています。
ブログでは制作事例の紹介をメインに書いてきましたが、改めて「大円商店」とはどういった工房なのか?ということを少しご紹介できたらと思います。ご興味があれば最後までお読みください。

私は東栄町が地元ではなく、田舎暮らしがしたくて2017年に移住をしてきました。生まれは神奈川県平塚市です。
東栄町は面積の約93%が山林で、とても山深い田舎町です。700~1000メートル級の山々が連なり、深い渓谷や清流が数多く存在します。
これらの自然環境は、多様な動植物の宝庫となっています。
昼間は猿が何十匹も群れで現れたり、夜に玄関を開けると天然記念物のニホンカモシカと鉢合わせしたりすることも。
動物たちの住処に住んでいる、そんな感覚すら覚えます。
春には桜が咲き誇り、夏にはホタルが飛び交い、夜空には満天の星が広がるなど、都会では味わえない自然の美しさを体感できます。
かつて住んでいた家の目の前には立派な枝垂桜があり、玄関を開けるとプライベート花見会場のようでした。
奥地にあるため、見物客もほとんど訪れません。

東栄町にはいくつもの地区があり、地区によって雰囲気が違い、住環境もまた違ってきます。
そんな中で、大円商店の工房があるのは「小林」という集落。住民が50人も満たない小さな集落です。
自宅でゆっくり過ごしている高齢者の方も多いので全ての住民の方と交流があるわけではなく、地域行事に参加する方は15人前後です。
小林の住民の皆さんはとても温かく、移住者の私たちを受け入れてくださいました。
地域行事ではお祭りや夏の草刈りなどがあり、特に印象的だったのは初めてのお祭り準備で声をかけてもらったときのこと。
手作業が中心の伝統的な準備に驚きつつ、地域の文化や歴史を肌で感じることができました。
都会ではなかなか味わえない、人との距離の近さや助け合いの精神がここにはあります。
また、小林集落には何百年と続く霜月神楽「花祭り」があります。
地域住民が代々守り続けてきた重要なお祭りで、その年の恵みに感謝し、無病息災や五穀豊穣を願って一日中舞が披露されます。
地元の人たちは幼い頃から練習を積んでいるため、難しい舞も簡単そうに、しかもかっこよく舞います。
しかし、外から来た者にとっては難しい動作の連続で、改めてこの土地の伝統の深さを感じさせられます。

そんな自然豊かで人情味あふれる環境の中、大円商店の工房は日々ものづくりに励んでいます。
この地の静けさや穏やかさは、制作にも良い影響を与えていると感じます。
都会の喧騒から離れた環境だからこそ、より丁寧に、心を込めた製品作りができるのだと思っています。
この地で生まれる製品が、日本全国の暮らしを彩ることを願いながら、日々精進していきます。

現在の工房は、基礎と電気工事を除き、自分の手で一から建てました。
建物を建てるのは初めての経験でしたが、少しずつ作業を進め、何とか完成。いつか工房作りの記録をブログにまとめたいと思っています。
町内を探せば空き倉庫も見つかったかもしれませんが、この小さな集落から出なくても生きていけることを実現したいという思いがありました。
いつかは田んぼや畑にも挑戦したいと考えています。

現在は表札を中心に制作していますが、もともとはアイアン家具をメインに作っていました。
方向転換した理由はいくつかありますが、一番大きいのは「物を所有したくなくなったから」です。
私は決してミニマリストではありませんが、生活環境の変化とともに、物に対する価値観が「大円商店」を始めた頃と大きく変わりました。そのため、現在アイアン家具は限られたアイテムのみ販売しています。

これからも、大円商店ではお客様の暮らしに寄り添い、長く愛される製品を作り続けていきたいと思います。
いずれ工房を拠点にワークショップやイベントなども開催し、多くの方にものづくりの楽しさを知ってもらえたら嬉しいです。
東栄町での暮らしは、私の人生を大きく変えました。
自然豊かな環境の中で、自分自身と向き合い、本当に大切なものを見つけることができました。
その経験は、私のものづくりにも大きな影響を与えています。
これからも、この美しい自然の中で、お客様の暮らしを彩る商品を作り続けていきたいと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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